SKIPシティ国際Dシネマ映画祭や門真国際映画祭など、大学在学中から複数の映像コンペティションで高い評価を得てきた塩野峻平が、コロナ禍の”端の人”を描くオムニバス映画を監督した。監督・スタッフの多くが現役の中央大学の学生であり、彼らが身を持って感じてきたコロナ禍の生きづらさを繊細に表現し、コロナ収束後の世界への希望を作品に託した。

100名を超えるオーディションの中から選ばれたのは、植松優、東出薫、清水陽介、藍川きあら、猪征大、竹内詩乃。登場人物同様、コロナ禍で生きる6人の若い出演陣が集った。挿入歌は、YOASOBIのikuraも所属した、ぷらそにかの現メンバーである早希、YouTubeにて6.5万人以上のチャンネル登録者を持ちTikTokでも人気を誇るDay and Night、力強い歌声でインディーズ界隈を沸かせ精力的にライブ活動を行うマリナの3組が本作のために楽曲を書き下ろした。 それぞれの視点、それぞれの役割で、コロナ禍の「今を生きること」を描いた作品だ。
コロナウイルスによって我々の日常は一変しました。マスクなしでは外も歩けなくなり、授業もオンライン、友人たちと会う機会もなくなり、それまでできていた「普通」の生活ができなくなりました。
報道ではコロナウイルスの感染者、濃厚接触者、後遺症の影響などコロナウイルスの影響を中心の部分で受けている人々が多く取り上げられます。しかし当時大学生であった私はその影響を端で受けている人たちを見てきました。
新作を撮りたいと思っていた時、真っ先にテーマとして思い浮かんだのはその「端の人たち」でした。
コロナウイルスが蔓延る中で自分たちの「普通」の生活ができなくなり、しかしそんな中でも確かに生きている人たちを映像にしたいと強く思いました。
タイトルの「to…」には誰かから誰かに想いが届くようにという意味を込めました。例えばそれが作品内の人物同士かもしれない、この映画を作った私たちから映画を見てくれた人かもしれない、見てくれた人たちから私たちへかもしれない・・。
「誰かに、届け。」
この映画がそんな誰かに届きますように。

あらすじ

東京で1人暮らしをする大学2年生の小松は、隣人の立野がアパートを出ていく準備をしているのを見かける。
立野は地方出身の大学1年生で、進学のために上京したが、コロナの影響で講義がオンライン授業となり、大学に通えないため、実家に帰る決断をしたのであった。
小松は、思い描いていた大学生活を送れなかったことに対し、複雑な思いを抱く立野の話を聞いて、立野が東京で過ごす最後の日に、彼女を1日だけの東京観光に誘う。

あらすじ

要は実家の中華料理屋で働き、要の幼なじみの光は大学3年生で就職活動をしている。
コロナ禍という状況の中で、要の実家の中華料理屋はだんだんと客足が減っていき、光もオンラインでの就活面接が続くなど、それぞれの状況でやりにくさや、将来の不安などを感じている。
光はそんな状況の中で、春から故郷を離れ、東京の会社に就職することを要に伝える。

あらすじ

倉庫でアルバイトをしながら劇団で役者をしている大内は、コロナ禍で役者として表現ができる場を失っていた。
小規模ながら舞台の活動を再開し始めた時、大内は、公演に頻繁に足を運ぶ女子高生・楠本にどこか不思議な感覚を覚える。
舞台に上がるたびに楠本を気に掛ける大内。
コロナでそれぞれの生活が一変した2人の間には、舞台演劇を通し自然と繋がりができる。

東出 薫

Kaoru Higashide

Part.1

大学1年生 立野
2001年5月23日 生まれ
東京都出身
イトーカンパニー 所属
映画「芸術写真部」(小畑智寬監督) 広菱咲役
TVドラマ「それでも愛を誓いますか?」 北浜役
CM「佐藤工業株式会社」、「Peatix」 など
私自身も同世代で共感できる事が多く、自然に演じる事ができました。
学生のお話ではありますが、コロナ禍で抱く苦悩や葛藤はどの年齢層にも共感して頂けると思うので、そんな日々に少しでも希望の光となれる作品をお届け出来ればと思います。

植松 優

Masaru Uematsu

Part.1

大学2年生 小松
2000年2月21日 生まれ
千葉県出身
フリー
映画「新しい靴を履いた日」(栗原大輔監督) 左加木定春役
映画「onenight」(李巧琳監督) 仲田孝司役 など
このコロナ禍の中で学校や仕事、大切な人に会いたいけど会えない、その辛い思いの中、人と人との繋がりで、芽生える感情を大切に表現して、見てくださる方々に少しでも見てよかったと思えるように精一杯演じさせて頂きます。

藍川 きあら

Kiara Aikawa

Part.2

要の幼馴染
1998年5月7日 生まれ
神奈川県出身
イトーカンパニー 所属
CM「日本郵政 すべてを、お客さまのために 篇」
舞台「あの子がいつまでコドモだったのか」 (演出:熊野利) など
役が就活生で年齢的にも就活の話題に触れることが多いので、とても身近に感じています。
コロナ禍で『普通』とは大きく生活が変わった今だからこそ、多くの方に届くように、少しでも希望を感じて頂けるように精一杯演じたいと思います。

清水 陽介

Yosuke Shimizu

Part.2

中華料理店の息子
1998年9月21日 生まれ
大阪府出身
フリー
ドラマ「GROUP〜乙女凪の事件簿3〜」二楠翔太役
PV NPO法人「Teach For Japan」 など
本作ではコロナ禍で生きていく22歳の役柄という事で、自分とかさねあえる部分が多いので、より自然な要になりたいと思います。
そんな要の複雑な思いをみなさんにお伝え出来るよう精一杯頑張ります。

竹内 詩乃

Shino Takeuchi

Part.3

女子高生 楠本
2002年7月15日 生まれ
千葉県出身
イトーカンパニー 所属
第8回日本制服アワードグランプリ受賞
TVドラマ「おじさんが私の恋を応援しています(脳内)」近藤飛鳥役
映画「彼女が好きなものは」(草野翔吾監督) 難波由香役 など
台本を読んだとき、年齢も心情も近いものを感じて、絶対に演じたいと思いました。
毎日役作りをとてもワクワクしながらしています。
全ての人に通じるものがあると思うので、物語を通して沢山の方に気持ちを伝えていけるように頑張ります。

猪 征大

Yukihiro Ino

Part.3

劇団役者 大内
1992年9月28日 生まれ
静岡県出身
HONEST 所属
映画「カツベン!」(周防正行監督)嘉次郎役
TVドラマ「ストロベリーナイト・サーガ」 辰巳圭一役 など
この一年、世界中の人が経験したこの時間の中で、たくさんの想いが世界を巡っていました。
人々が寄り添いあっていく瞬間を、この作品を通して伝えていけたらと思います。
Part.1
早希−『なんでもない今日』

楽曲に込めた想い

今回、「なんでもない今日」という曲を書き下ろしました。
台本と向き合いながら、登場人物たちの気持ち、私自身の気持ちを歌詞とメロディーに乗せました。
皆さんも「なんでもない今日」をお家で過ごすことがあったのではないでしょうか。
そんな日々の中で、どこか前向きに明るい未来を夢見る主人公を描きました。
この映画、そして楽曲が皆さんの背中をそっと押してくれますように。

プロフィール

シンガーソングライターとして活動中。
ソロ活動の他にもボーカルグループ「Love Harmony’s Inc.」、アコースティックセッションユニット「ぷらそにか」にも参加。Youtubeチャンネルやサブスクにてカバー動画やオリジナル楽曲も公開中。
Part.2
Day and Night−『あなたへ』

楽曲に込めた想い

今回、楽曲提供をさせていただくことになってから台本、映像を拝見し、作詞作曲させていただきました。
今、実際に私たちの身近にある、共感できる内容だったのですごく心にくるものがありました。
私たちの楽曲『あなたへ』を通して、映画『to…』がより一層素敵な作品となれば、とても幸せです。

プロフィール

2019年12月20日ユニット結成。
即興ソングや心地の良いハモりを得意とする、ツインギターボーカルのシンガーソングライターユニット。愛称:デイナイ。
nina(左)/fuu(右)は太陽と月のように容姿も性格も対照的。
お互い違ったモノを持っているからごぞ補い合い、それに共感共鳴してもらえるような音楽を生み出し伝えていく。
Part.3
マリナ−『溶けないように』

楽曲に込めた想い

私も高校生の頃、楠本と同じように、趣味で舞台を見に行っていた時期があり、彼女と似たような経験をしたことがあります。
その頃の自分の気持ちとストーリーを照らし合わせ、そしてコロナに対する気持ちを含めて、マリナらしい曲にしました。
どんな今もいつか記憶から溶けないように、忘れられないように誰もが生きていければいいなと思います。

プロフィール

高校生の頃から弾き語りを始め、ライブやSNSで精力的に活動する。
ロックで力強い歌声とライブパフォーマンスやギターテクニックで魅せる弾き語りスタイルを始め、DTMや1人バンドなど自身の音楽スキルを活かした活動も行う。音楽以外にもインフルエンサーとしての活動も行っている。
気づきはじめてるんですよね、若者たちは、ちゃんと。
生き方は思っている以上にまっすぐだってことに。
− 千葉大樹(演技トレーナー)
冒頭からエンドロールまで、眩しくなるほど瑞々しさに溢れた映画。
物語の中に、劇的な展開や、衝撃的な出来事は起きない。
だからこそ、登場人物たちが織りなすさりげないやりとりの全てが、
このご時世を生きる者たちへの、ささやかな光になるように感じた。

不安が蔓延する世の中で、誰もが何かに負けないように生きている。
普段は気にしないような、生きている実感を敢えて感じていないと、
今に置いていかれるような感覚になる。
そんなことが容易に起きる転換点に生きているのだと考えさせる物語。

登場人物たち全てが、微かな希望をもって、今日も生きている。
そんな姿が印象的だった。
最後の、舞台役者が自転車に乗って颯爽と走っていく背中に、
この映画一番の希望を感じた。

今だ、今なんだよ。
生きているのは、今だ。
今、俺は生きている。
俺たちは今、生きている。
− 木村真人(共同テレビドラマディレクター)
コロナ禍だって、そうじゃない時だって、変化する世界に不安を抱きながら、それでも前を向くしかないから、前を向いている人が必ずいるから、そしてそんな人達がこんな素敵な映画を作ってくれるから僕は明日も頑張ろうと思えるんだ。
− Oguri(s**t kingz)
ありきたりな日常も、ちょっとした出会いが少し明るくしてくれる。
どんな時でも、その本質は変わらないんだなと感じることができました。
人との出会いが少ない今だからこそ、一つ一つの出会いを大切にしたいと思わせてくれる作品。
熱い想い、届きました!!
− shoji(s**t kingz)
コロナによって、マスクによって、
直接触れ合うことの出来ない若者たち。
そこには、いつものハグもキスも存在しない。
だけれど、彼らの心の通い合いが、
その距離すら溶かしていくように感じる。
そんな”残しておきたい瞬間”の尊さを
この映画は教えてくれる。
− 中嶋駿介(映画監督)
コロナ禍で今までの日常がガラッと変わってしまった今。
そんな今だからこそ全力で生きようと感じさせてくれた作品でした。
− fumiya(ソーシャルメディアクリエイター)
『「人」という字は人と人とが支え合ってできている』
この言葉にニューノーマルは存在しない。人は一人でいれば必ず弱ってしまう。
でも、顔を上げれば、味方は絶対にどこかにいる。
だからこそ、どんなに辛くとも人は生きていけるのだと強く確信できた。
− 延命杏咲実(タレント)
登場人物一人一人の眼差しに無意識のうちに着飾っていたものを剥ぎ取ってもらえた気がした。
特別じゃなくてもいいから当たり前のように来る明日をどんな1日にしようかとちょっぴりワクワクさせてくれる映画。
− 佐藤祐基(俳優)
2020年を境に生活や表現を制限される世界へと一変しました。
作品で描かれてるのはその時代に出逢い、別れて、奮闘し、苦悩する6人の若者。
どこかで本当に起きてるような「日常」を切り取った話。そんな6人を観ていると自分とどこか重ね合わせ、頑張ろうと言う気持ちにさせてくれます。
作品いっぱいに詰まってる塩野監督の愛おしさと優しさが映画を観た多くの方に届きますように。
− 小池匠(映画監督)
映画をタイムマシンのように感じる時がある。
青春を経験したものにとっては過去に、そうでない者にとっては未来へ。
どこか旅のようで、観たこともない景色のようで、それでいて懐かしさを感じる。
この映画、好きだなぁと50才目前のおじさんが青春を思い出して微笑む。
清らかで爽やかな。この映画はそういう映画である。
− 門真国際映画祭運営事務局 代表 奈須 崇
母校の大学の講演をさせて頂いた時に声をかけてくれた塩野監督。
進路の相談とかものったりしていたのに、もう劇場公開だなんて!!
彼らしい温度の作品だと思いました。
制作陣も俳優部もフレッシュで、コロナ禍初期の閉塞感を彼ら世代の目線で描いています。
時と共に慣れが生まれるからこそ、その時の衝動で作る映画って意味があるのだと思いました。
毎年、毎年、上映されて欲しい映画です。
− 犬童一利(映画監督)
この映画は、空気を楽しむ映画だと思う。
出会った男女の空気感。
長いコロナの中で、どういう距離感で人と接していいか分からなくなった男女のソーシャルディスタンス。
「どんな感じなんですか?大学生って」
「また誰にでも会えるようになりますよ、きっと。」
切なくて優しいセリフが心に響く。
− 山崎恆成(中央大学客員教授・TBSテレビコンテンツ制作局)
青臭さが身に染みる
いまこの時代を生きた僕らだからこそ
楽しめる映画。
− 空下慎(映画監督)
2022年11月19日(土)〜11月25日(金)
⼤阪・⼗三 シアターセブンにて
上映決定!
都市
劇場名
公開日
東京
2022年4月30日~5月6日
大阪
2022年11月19日~11月25日

4/30(土)・5/4(水)・5/6(金)
舞台挨拶イベント開催決定!

各回上映終了後(22:00ごろ)の開催となります。
イベント参加のための追加料金はございません。
イベント開催の日の鑑賞券をお買い求めください。
day 1:
4.30
22:10~22:30頃
(本編上映終了後)

登壇者

塩野峻平 監督
立野 役
東出
小松 役
植松
Part.1 挿入歌
早希
※映像出演
※会場参加ではありません
day 2:
5.04
22:10~22:30頃
(本編上映終了後)

登壇者

塩野峻平 監督
光 役
藍川きあら
要 役
清水陽介
Part.2 挿入歌
Day and Night
day 3:
5.06
22:10~22:30頃
(本編上映終了後)

登壇者

塩野峻平 監督
楠本 役
竹内詩乃
大内 役
征大
監督 塩野 峻平
東京都八王子市出身。
2017年、中央大学入学と同時に同大放送研究会に所属し、映像制作を始める。
2018年秋、サークルのメンバーとともにクリエイター集団「RARERU」を立ち上げる。
映像クリエイターとしてYouTube広告やSNS用の広告を制作。
並行して自主制作映画の監督、脚本を務める。
2020年、監督作品『レイディオ』(2020)が門真国際映画祭・GoodStock FilmSession・SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて上映される。
https://rareru.net/creator-shiono
プロデューサー 中村 綾菜
1999年生まれ。
2018年中央大学に入学し、同大学の放送研究会に所属し映像制作を始める。
自主制作映画やMV、企業プロモーションのプロデュースや、YouTubeチャンネルの企画を行う。
脚本・プロデュースを担当した塩野峻平監督の『レイディオ』は、門真国際映画祭、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、映文連アワード等で上映された。
撮影 近藤 実佐輝
1993年生まれ。
中央大学映画研究会出身。
映像制作チーム「Toutl’or(トゥロー)」のカメラマンとして、 自主制作映画をはじめMVやライブの撮影を行う。
主な撮影担当作に、 川北ゆめき『満月の夜には思い出して』(2018) 鈴江誉志『リスケ』(2021)がある。
協力
中央大学第二演劇研究会の皆様
中央大学附属高等学校演劇部の皆様
中央大学放送研究会の皆様
中央大学FLPジャーナリズムプログラム山崎ゼミの皆様
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